そらいろキップ

言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が

すべての、真実。







音感ゼロだけど。

音楽の事はさっぱりわからないけど、音楽を聴くのは好きで、日常の物音も好きだったりする。

今の季節は鈴虫やら蟋蟀。

部屋の電灯をつけた時と消した時で、鈴虫、蟋蟀の音楽が違って聞こえてくる。

部屋を真っ暗にすると音楽は立体で、音の彫像になってやってくる。
それは、細い細い弦が揺らいでいる彫像。

彫像は、部屋を森にしていく。

何だか、森の中で寝ているみたいだ。

一度だけ森の中で寝た事がある。

町はずれに使われなくなった線路が残っていた頃。
鈴虫や蟋蟀の音楽の中を散歩していたら、おない年くらいの少年と出会った。

暗かったから顔は、わからなかった。

一番、音楽が聞こえてくる場所を教えてくれるのでついて行った。

そこは森。

ひとりでは怖くて、いられないけれど、隣に少年がいるから平気だった。

音楽の中で目を閉じていたら、朝になっていて少年はいなくなっていたけれど、彼は汽車の床でうずくまっている。
茶色の髪の少年によく似ていた。

posted by 永島大輔 21:32comments(0)trackbacks(0)pookmark





誰かに見つけてもらうのを待ち続けている

地下の礼拝堂は 発光する苔と

僕達のランタンだけが頼りで

すべてが不確かなまま浮かびあがる



隠し事かが無いとしたり顔の人達は

あいたまま 何も見ない瞳の持ち主



地下の礼拝堂の暗闇は

隠し事に泣いた人達の魂が集っている



そこには



誰かに見つけてもらうのを待ち続けている



彼ドゥ・ジイ・ダリアがいた

とうの昔に

生きるのをやめてしまったのに



朽ちる事のできないまま

posted by 永島大輔 19:20comments(0)trackbacks(0)pookmark





淡い、紫の唇の彼と。

水紋はなぞっていた地図の行方を

水紋の読み解き方がわからないから
眺めてばかりだ

淡い、紫の唇の彼と。
たぶん、僕だっておなじようなもんなんだろう

淡い、紫の唇が赤くなる前に

読み解かなきゃいけないのに

頬に絡んだ髪の毛をなぞってばかりだ


地図の行方は
蝋細工の洞窟灯り

僕達がいつまでも このままでいられるように

森の神様にお願いしたから
必ず辿りつけるはず


彼の淡い紫の唇から
繰り出す言葉は 文字にすがる事のなかった人達と おなじなんだ

僕は口封じのまじないみたいに
自分の言葉を
淡い紫の唇で 塞いだ
posted by 永島大輔 19:45comments(0)trackbacks(0)pookmark





夜の詩

星の中で すごしたいから
透きとおった

湖は この星の奈落そのものだったから

握りしめた 友達の冷たい手のひら
厚みのある下唇から
繰り出す

夜の詩が もやいだった

月に照らされた
すこし荒れた 唇は

僕の 事を 他のやつらのように 慰めてくれた

夜の詩


沈んでいくのは
この 星の奈落に引き寄せられるのは

何かを考えるからで
つまり

何も考えずに
いれば 湖の水面に
漂っていれば

星の中にいることができるんだ

厚みのある

彼の下唇 夜の詩に なぐさめられながら
posted by 永島大輔 20:27comments(0)trackbacks(0)pookmark





柱時計を模した棺桶の中で

だから
ぼくたちは 眼帯を あの飾りの眼帯を 彼がずらす前に
柱時計を模した棺桶の中で
ずらす 瞬間を待ち続けている

彼を 救いださなければならないんです

そのために

ひきずられた猫の影が
月に灼かれたというのに

これ じゃ 無駄になってしまいます

だから

ぼくたちの 縄をほどいてください

だから ぼくたちには
ドゥ ジィ ダリアがつきまとうんだ

公園をいく
左手から 生えた赤い風船なんか
呪いの象徴にしか見えやしないんだ

posted by 永島大輔 18:59comments(0)trackbacks(0)pookmark





テント芝居の友達は…

地球のはしっこにある村だから
地図に載ってない町だけど
それでも

春告げ鳥が鳴く時期に テント芝居はやってくる

テントの杭に立つ少年は
僕の友達で 
僕は学年が変わるけど

友達は 変わらない
背丈も声も 初めて出会った時のまま

友達の手のひらは
小さくなった
僕の手袋と おなじ大きさで
また木箱を見せてくれたよ
知ってる?
この箱に入ると
地球の裏側へ行けるんだ

途中で迷わないように
二人の靴の紐をつないで

閉じた木箱は
僕には窮屈でも

僕達は知らない街

歩きにくい 靴の紐はほどくわけには いかないから

テント芝居の友達と
僕は お互いの脚を絡ませながら 

知らない街は

月蝕の王子様が
懐中時計の針が

どれだけ すすんでも
支配してる


そろそろ帰ろうとしたって
僕には窮屈な 
木の箱から ぬけだせないから

テント芝居の友達は…
満足そうな 寝息をたてている
posted by 永島大輔 21:02comments(0)trackbacks(0)pookmark





一度は見失った 森だけど

どうしてる いま?

神様を手にいれたのは
まだ 一緒だったね

呪いに かけられた
顔の似てない
双子みたいだったのに

キミと考えることは
双子みたいだったのにね


僕だけが逃げきって
悪いことしたとは 思ってる

だから
なおりかけの
傷口を 押さえるみたいに
戻ってきたよ

一度は見失った 森だけど
posted by 永島大輔 14:07comments(0)trackbacks(0)pookmark





金貨

震えているの?
怯えているの?

でも これが本当の世界
いままでのは まがいものの世界

よく 見ておきなさい
積みあがる 屍を
よく 見ておきなさい
屍よりも 高く積みあがる
金貨を

よく 見ていたら 
屍を減らす事ができるのかもしれない
posted by 永島大輔 21:15comments(0)trackbacks(0)pookmark





ノート

あいつらが 僕たちをつかまえに来るまえに 
鉄橋のしたに 隠れ家を作ろう

屋根裏の本で
みつけた友達は 手のひらから星が見えた

別に 彼が悪いわけではないのにね

手のひらの星は

あいつらの罪の数

あいつらが 僕たちをつかまえに来るまえに

罪の数を しっかり記しておくよ このノートにね
posted by 永島大輔 21:39comments(0)trackbacks(0)pookmark





僕。

僕がゼロに出会ったのは
坂道と水路 ──水路は飽くこともなく 悪くもなく 水路のままだった──

の 音符を拾うつもりが ゼンマイ仕掛けの子猫に ちょっかいをだしたのが 始まりだった

それは
何かの間違いのように思えれば
それは
何かの実験のように思えたりする

季節もハズレているので

外套は夜道の寂しいさを演出するだけだったから、いらない。

よこしまとたてしまに
あやどられた シャツがあれば それでよかった

ゼロのシャツ
シャツはゼロだけれど

ズボンにはいくつかのポケットがある

ゼロのポケットの金貨の音楽は 
そのまま
よこしまな人たち の 音楽だ

僕。


僕は
よこしまな音楽を奏でたりはしないよ

あの螢に誓って。
posted by 永島大輔 17:31comments(0)trackbacks(0)pookmark