そらいろキップ

言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が

すべての、真実。









大きな罪に対して
口をつぐんでいた冬に

届けられた手紙は
そこから

逃げのびた様子が
記されていたけれど

文字の使い方を間違えたから

大きな罪に口をつぐんでいた冬

冬のなかで

凍りつきました

書いても書いても
手紙は凍りつきました






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つきあかり

街灯があるわけでもないのに
ベランダのほうが灯されたように明るいのは

つきあかりが
街灯に邪魔されずに
すむからだった

誰も犠牲になってない

つきあかりは

忘れられたまま
さまよっているから

おなじ所にいるように
勘違いされている

例えば

あの時の夕方
手帳が歌いだした
夕方

インクに思っていた
しみは

彼の汗ではなくて

つきあかり
だったんだ



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幻影ともに旅をする

真夜中に出る汽車は
月が沈む町へむかう

発車する時刻に
間に合った僕の隣は

あの時
間に合わなかった

友達の幻影です

なにもかも

不確かな日々をおくる僕には
夕暮れ時にやってくる
車輪のかげ

子供達の声が確かなもので

それより確かなものは

幻影だったから

彼らは汽車の座席で待っていてくれた

僕は

彼らの住んでいる

月が沈む町へでかけるつもり




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3日間。

あの町にくらべると、3日間
遅れてやってくる本を探しに町にでます。

猫のお昼ごはんを用意してから、自転車に乗ると、陽射しは、かすかに黄土色がまじっていて、あの町から、離れてしまった事を思い起こさせます。

古い硝子窓の本屋は、誰かが中学校に通っていた名残りのポスター。

古い香り。
甘い香りを放つ本屋に届けられる、彼の言葉。

それは、あの町で聴く事ができなかった。彼の言葉です。今は文字をたどる事ができています。

感想?。
感想文なんて書けやしない。

それは、彼の世界をすべて知ったふうに勘違いしてまうから。

ただ、彼の世界の片鱗が、この町まで、届いている事を感じる事ができたら、それで、いいんだ。

なんだか、
ありがとう。

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くしゃみ、仲違い。

星の気まぐれで できた

海の上の土に

線引きしたところで



星には 何の関係もない事です

どんなに歴史のある民族であろうと

どんなに血筋のよい民族であろうと



星には 何の関係もない事です



どんなに火の粉がふりかかろうとも

どんなに血の海が広がろうとも



星には 何の関係もない事です



神?



理解できない

認識できない



生命体が

いたから



神という 考えが産まれただけの話



生命体には 何の関係もない事です



広がり続ける血の海で

どんなに勝利の声をあげようと



生命体には



何の関係もない事です



まばたきにも満たない

歴史を勝ち誇る間もなく



くしゃみ ひとつで 消え去る



運命なんですけどね

posted by 永島大輔 19:13comments(0)trackbacks(0)pookmark







虐げる、足の裏で。

完全な彼と 未完成な僕達とで。

うっすら 頬の埃は

胸の奥底を鳴らす 弦楽器。

その音色に気づくのは 人の心のうちを
読む 特技を持った

彼が うるんだ眼差しで
僕を虐げるから

僕は足の裏に力のこめる

少しだけの儀式のように

彼は

聞き取れない詩を囁いた
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はっこう

はっこう

棄てられた
子供の骸が 川の真ん中へんの 国で
発光する 夜です

幸せなぞ 何もなく
死んでいった 夜

骸に 人の皮を
まとった 悪魔が
溢れかえって

人間です

嘘を つき月の夜は

廃線路の侵食した
図書館に

苔むした 中から
飛び立つ 鳥は
見たこともない 鳥

羽のまわりだけしか 見えない 鳥 の羽根に

貼りあわせた
魂の 輝く時に

空が割れます

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彼は
雨と ともにやってきて

雨音が なぞる輪郭を
邪魔しないように 囁いてくれる

彼の声は

心地よい 木の香りをふくんでいて

知らない 季節の扉を教えてくれた

扉の向こう側は

僕の 記憶 足跡の輪郭にたまる 水で

メタセコイアに 埋もれた映画館だったんだ
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箱庭

箱庭みたいな 庭

猫の通り道 見張り道

箱庭みたいな 庭

子供達の通り道
勇気をためす 道

まだ 見ぬ 兄さんは
塀の上 を 歩いてる

歩いてる 姿は
僕より ずっと

年下だけれど

穴の あいたポケットから
枇杷の種 ひとつ 

落としていった
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水はうすくて

水は うすくて

泳げない 僕でも
長くは 潜れない

どんなに 
居心地の いい水だとしても

それと おなじ

幸せな日々だって

長くは いられないんだ

落っことした
慣れない味の アイスクリームみたいに

すぐに

消えていく
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