そらいろキップ
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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僕にとってバッハのマタイ受難曲の『憐れみたまえ、わが神よ』はタルコフスキー監督『サクリファイス』が大きな山のように存在しているので、他の映画で使われると複雑な気持ちになるのですが、ディーデリク・エビンゲ監督(Diederik Ebbinge)『孤独のススメ(原題Matterhorn)』の『憐れみたまえ、わが神よ』は違った。
井上淳一監督『大地を受け継ぐ』をみてきました。
はじめて行った仙台市の桜井薬局セントラルホールは昔の映画館みたいで懐かしさを感じる所でロビーのソファーがゴロ寝に最適…。 原発の話はエネルギーの話になりがちだけれど、根っこにあるのは戦前の軍国主義、戦後の水俣病や三里塚闘争、薬害問題…とおなじ物だったりする。 これからもおなじような出来事は何度も繰り返される。 少しでも防ぐ事が出来るとしたら、その出来事の真実を語り継ぐ事だと思う。 福島のお百姓さん、樽川和也さんの言葉は淀みなくひとつひとつが、いま日本で起きている真実を表している。 お百姓さんの家は広いとは思うけど、あの人数がいても閉塞感を感じさせないのは語りかける相手が1人ではなくて、年下の複数の人に語りかける意識を作り出した監督の演出と自分の話を親身に聞いてくれる人達がいるという信頼関係にある。 このあたりは記録映画と劇映画の演出の違いの面白さだと思う。 派手な場面もなければ、細かいカット割りもない。 あるのは東電原発の事故で被害を受けた人達の話を聞いて書きとめられた真実の言葉。 聞き書き形式の記録映画の大切さを感じます。 戦争で悲惨な敗け方をしたのも原発が爆発したのも、人を騙して人の話を聞かなかった事が原因のひとつなのだから。 映画にはいろんな役割があるけれど、そのひとつは武器としての映画で『大地を受け継ぐ』にはそれを感じます。 閉塞感を感じさせないのは撮影(カメラ)の魅力にもあると思う。 「よくわからないけど、福島のお百姓さんに話を聞きに行く僕達、私達」はじめてカメラを持ちましたみたいな手持ちカメラから始まってるのに、途中からこんなに撮影がうまいのは何でー??。 スタッフがどんな人か忘れていて反省会を開きたくなりました笑。 撮影監督は鍋島淳裕氏だった。 井上淳一監督『戦争と一人の女』も好きだけど、ウェイン・ワン監督『女が眠る時』の不気味な映像も素敵!。
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