そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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ガス・ヴァン・サント監督「プロミスト・ランド」はシェールガスの開発を巡っての映画で、ある日、経済的にきびしい地域(農村地帯)に、お金が降ってくるような話が舞い込んでくるけど、うまい話には落とし穴が待っているって…あららー、どこかで聞いたような話。
人種や国家が違っても人間のやることはおなじなのね〜。 シェールガスの開発の問題だけでなく、なんとなくアメリカのほうが優位にみえる農業だけれど、きびしい状態や先祖から受け継いだ農地を大切に思う気持ち…。 アメリカの農産物に、金は払いたくないと思っていても、むこうの農家の人の気持ちに同情してしまいます。 マット・デイモンはいろんな映画に出てくるけど、「プロミスト・ランド」のアメリカの問題点を指摘する誠実さを土台にした演技はとっても素敵です。 こんなに企業を特定して批判しても大丈夫なんでしょうか?(^^; アメリカは、なんだかんだ言っても公害、薬害といった題材が映画としての魅力を持ちながら描かれてるからすごいなー。 映画の筋とは、関係ないんだけど、あー、ガス・ヴァン・サント監督って、こういう男の子が好きなんだ〜と趣味がよくわかる映画でもあります。女優さんより男の子の描写のほうが力が入ってる気がする笑。
もう世間の映画の流れから、はずれまくりな気がしないでもない笑。
今日は待ちに待った、イングマール・ベルイマン監督「秋のソナタ」!!のために早起き!。 怪談映画、ホラー映画は人間の心の奥底にある恐怖心を幽霊や怪物にたとえて表現していると位置づけてみると、母親になる事への怖れを抱き続ける人間と、母親に母親として接してもらえなかった人間の対話を描いた、イングマール・ベルイマン監督「秋のソナタ」は、そのへんの怪談映画より遥かに怖い。 架空の出来事、スクリーンの向こう側の出来事であるはずなのに、誰かの、人生のもがき、苦しみが自分の身体にまとわりついてくる怖さに映画館から逃げたくなるくらい。 映画に出てくる場面、人の数はとても限定されているのに、「○○はこうでなければならない」といった、ひとつの集団の中で受け継がれてきた固定概念に、苦しめられる人達がいる事について、世界そのものを観察するような(←ここがベルイマン監督の一番、怖い所だと思う)神のような視点(撮影)には鳥肌ものです。 もっとベルイマン監督の映画が観たーいッ!!。
アンドレアス・エーマン監督「シンプル・シモン」は予告の時から、も、もしかして、これは…の予感的中!。ボーイズラヴな映画だったー!って、こんな事を書いていいのかしら。
弟思いの兄と、兄が大好きな弟の兄弟ケンカの場面が痴話ケンカに観えてくる…。 そんな楽しい映画の「シンプル・シモン」。監督の好きそうな物が、があっちこっちにちりばめられています、ムーミンパパにハンフリー・ボガードに、ドゴラって…いったい監督は何歳なのか気になるー。 映画ネタの他に、出てくる料理は美味しそうで作ってみたくなるし、シモンが住んでる部屋はかわいいし、美術を観てるだけでも、楽しくて、そのうえ、人の動きを見つめる視線の優しさが素敵です。誇張してるけど、バカにするわけではなくて、その人の良さを引き出している優しさ。 空想の世界にどっぷり漬かってるシモンを観てると他人とは思えないなー。程度の差はあるけれど、こういう素質は誰にでもあるんじゃないかという気がしてきます。 字幕の監修をされている山登敬之先生の「子どもの精神科」という本を、たまたま読んだ事があるのですが、難しい言葉を知らなくても、子どもの心理がわかりやすく、ストンと入ってくる素敵な内容でした。
ある出来事について考える時に、ひとつの時代だけではなくて、いくつかの時代の同じような出来事を並べてみると、その出来事に関する「嘘」と「本当」が見えてくる時があります。
「あいときぼうのまち」(監督菅乃廣、脚本井上淳一)は、原子力に関するいくつかの時代、当時の人達の姿を描く事で、原発の問題の本質に気づかせてくれます。 資源の無い国でエネルギーの問題は深刻だけど、原発の抱えてる問題の本質って、戦前から続く体質にあるんじゃないの〜?と思っていたので、そこの所がしっかり指摘されているので、モヤモヤがとれて、すっきりしました。「原発に反対したらアカ」って「戦争に反対したらアカ」の戦前とやってる事は一緒だもんなー。 「あいときぼうのまち」の凄い所は単に問題点を指摘するだけではなくて、映画として面白い所です。その時代特有の空気感を表す台詞、演技に脚本がいかに大切な存在であるかわかります。ひとつひとつの何気ない台詞にすごい説得力があって、異なる時代に共通する出来事を批評するようにできていて、映像の編集と音楽のいれ方がうまいのよー。日本映画では珍しい作品だと思います。 「あいときぼうのまち」は1本の映画なんですが、映画を作る労力的には、3本ぶんくらい使いそう…。 木下恵介監督の「陸軍」のように、壮大な映画で好きな映画です。「あいときぼうのまち」。都合がつかなくて、舞台挨拶に行けなかったのが残念です…。
初めてアレハンドロ・ホドロフスキー監督「サンタ・サングレ」を観た時は恐怖以外の何物でもなかったけど、映画バカを続けていたら、新作「リアリティのダンス」は、心の故郷に帰ったような気持ちなるから、人生、どこでどうなるかわからない。
お酒が無くても、珈琲と凄い芸術があったら酔っぱらいの状態になる事はできると思っていて、「リアリティのダンス」の色彩の鮮やかさ。現実の世界の悲劇も喜劇も幻想の世界へと昇華していった時の、あの色彩の鮮やかさが、心地よくて頭がクラクラしてくるくらい、素敵で、映画というより拝みたくなります。 僕はある時代の映画に乗り遅れたので、例えば、フェリーニ監督のように、魔術的で怪しいサーカスの一行が突然現れて、さっていく寂しさのような、あの感覚に封切りの時に出会えなかったので、とても残念だったので、「リアリティのダンス」のような映画に出会えると、嬉しくて涙が…。
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