そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督「プリズナーズ」は、前作「灼熱の魂」が、いやー何もそこまで過酷な話にしなくても〜、僕は嬉しいけど〜というくらいすごかったのに。それが、あっさりした映画に思えてくるくらい、濃い映画だった!。
ある事件が起きる町の自然描写、夜景の撮り方が、映画の名場面の連続の美しさに見とれているうちに、その町に放り込まれて、迷宮に巻き込まれてしまったような、感覚に包まれていくうちに、鳥肌ものの展開が待っていた。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の眼差し(カメラ)の怖さは、カール・ドライヤー監督が「裁かるゝジャンヌ」で、ジャンヌ・ダルクを動かした正体を、冷静に観察した怖さに通じるものがあって、しだいに境界線を失なっていく人達を、これでもか、これでもかと、撮影していても俳優さんの演技は物凄いし、怖くて逃げたくなる面白さです。って、どんな面白さだよって気もするけど(笑)。 予告で、流れていた新作「複製された男」も楽しみ〜。
呉美保監督「そこのみにて光輝く」は、映像の力を感じさせてくれます。
精神的な飢えを抱えた人達の表情がギラギラしていて、外国映画の名画を観てるようです。 誰かと関わりたいのに、自分が置かれた境遇が原因となって、拒絶してしまう姿とその気持ちが、映像の密度の濃さと、つながる事を拒絶したような映像の編集にたくされている。 一歩間違えると、雑な印象になるのに、観る人間をドキッとさせて、引き付けてしまう、すごい編集です。 ご当地映画という枠で括っていいのか、悩むのですが、ご当地映画って、下手すると観光案内映画になって、映画としての魅力が薄れてしまう時がありますが、「そこのみにて光輝く」は、町に流れている時間の厚みと、作品の雰囲気がぴったりあっていて、映画を作られた人達が、原作をとても大切にされている気持ちが伝わってきます。 同じ原作者の佐藤泰志さんの「海炭市叙景」を映画化した熊切和嘉監督の作品も、受け皿を必要とする人達に、受け皿が無いことの矛盾を、詩のような映像で描いていて素敵です。
ウェス・アンダーソン監督「グランド・ブダペスト・ホテル」は細かいカット割りに、隅の隅まで凝りまくった美術。豪華さとチープさのバランスが絶妙で、ほんの数分しかうつらないのに、テーブルの文房具の部品までかわいかったり、雪国暮らしならわかる、あの雪をギュッ、ギュッと踏んでいく感覚とか、血が騒ぐ要素がギッシリつまっていて、あ〜、こんな場所で珈琲が飲みたい!。
さらに時代背景にあわせて映像(演出)にも仕掛けがしてあって、ほんの一瞬のあいだ、夢を観るように、歴史を感じる事ができて、起きながらにして、夢からさめていく感覚。これが映画の面白さよね。 全然、作風は違うんだけど、ダニエル・シュミット監督「季節のはざまで」に近い感覚を感じます。 「グランド・ブダペスト・ホテル」で繰り広げられる、短い上映時間なのに、せっせと詰めこまれた、マンネリ笑なギャグはマルクス兄弟のマンネリ感が好きだったりすると懐かしいものがあるな〜♪。
ジョン・ウェルズ監督「8月の家族たち」のような映画を観るたびに思う事は、そこの地域に住んでいる人達が抱えている問題を娯楽(と書くと誤解されそうですが)にして、他の地域の人達に知らせてしまう、アメリカ映画のすごさ。
家族が衝突する原因は、その人が持っている素質にあるんだけれど、それを増幅させている原因のひとつに、「薬害」をあげているんだけど、こんなに、はっきり描いたら、面白くない人もいるだろうな〜なんて勘繰ってしますます。 薬害はあるけど、映画の中でどのくらい描かれているのか、すぐに思いつかない国にいると、ちょっと、びっくり。 映画にはまってから、何年か過ぎてしまうと、「8月の家族たち」に出てくる俳優さん達が今まで出演された作品を思い出しながら観てると、楽しさが倍になります。 フォーラム山形のロビーでリヴァー・フェニックスの「ダーク・ブラッド」のポスターに「キャーッ!!かっこいいッ!」なんて、完全に頭がタイムスリップしたおかげか「8月の家族たち」を観ていたら、マーティン・スコセッシ監督「ケープ・フィアー」を思い出して、昔はジュリエット・ルイスが、あんな変な娘役をやってたんだよなーとしみじみしました笑。
映画を観るのは映画館(スクリーンのある所)で、なんて事をしていると、「え?ウソ?」みたいな作品を観ていなかったりします笑。
アルフレッド・ヒッチコック監督「めまい」(1958年)を映画館で観れる日がついにやってきました。 この映画の粗筋をここままで知らないで、どうやって生きてきたのか、そのぶんヒッチコック監督が仕掛けた映画魔術にクラクラになって楽しめました。 当時のフィルムだから出せた色彩(レストランの壁紙の赤とかドキドキしまっせ〜♪)。 花屋さんの華麗さとか、ほんの数分のカットでも、ヒッチコックの美に対するこだわりが貫かれていて、それが、ビックリ仰天の編集に繋がっていった時は鳥肌ものでした。 ある小道具を出す時に、普通ならそれをクローズアップするものですが、それをしたら、編集のリズムがおかしくなってしまうせいか、ほんの小さな部分にまで仕掛けがしてあります。 これ、映画館で観ないとわからないよな〜。映画館で観れてよかった…。
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