そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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懐中電灯を片手に「ウルトマンだー」なんて、遊んでいた子供が大きくなると、「階段」と「乳母車」の組み合わせに「ポ、ポチョムキン(´д`)=3ハァハァ」って、なっちゃうのよね〜。
ベルナルド・ベルトルッチ監督「分身」は、いろんな映画の分身になりながら、ずっこけていく所が魅力的。 元ネタくらい、うまくできていたら、かえって格好悪くて、自分自身の「分身」と、猛烈な勢いで会話する事の独創性へ到達した瞬間。あの凄みがかすんじゃうと思う。双子の役者さんかと思うような凄さです。 遊び心一杯で、撮影、編集、演技の面白さに溢れた映画です。超テキトーッ!に見せといて、このへんは魔術的。 エンリオ・モリコーネ様の名前で「マジで〜?」と笑いを誘える映画もそうないような気がする。 大久保先生の話を聴くまで、ジャコブ(ピエール・クレマンティ)がルキーノ・ヴィスコンティ監督「山猫」にも出演してたなんて、知らなかった。ベルトルッチ監督の父親とパゾリーニ監督の交流の事とか興味深い話がたくさん聴く事ができました。 ジャック・リヴェット監督「アウト・ワン」を観てるなんて、羨ましいー。 次回の金曜しねまてーく!は7/26(金)。フランソワ・トリュフォー監督「隣の女」です。昔の恋人が隣に越してくるとか、未練たらたらな所がトリュフォーよね(笑)。
もうすぐ、夏。
夏といえば怪談映画ですね。 映画館に行きだした高校生の頃、「四谷怪談って、テレビでしか観た事ないから、映画館で観てみたいな〜」なんて、軽い気持ちで、映画館に行ったのが間違い(笑)の始まりだった。 観に行ったのは中川信夫様「東海道四谷怪談」と「地獄」の二本立て。 「東海道四谷怪談」も怖かったんだけど、その後、何も知らずに観た「地獄」。 不気味〜〜な冒頭から、出てくる人が藤圭子様の「圭子の夢は夜ひらく」を今にも歌いだしそうな暗い人ばっかり。 そんな人達が「ちょっと、無茶よ、その展開!(笑)」で地獄めぐりをする事に!。 そこから先は「我慢大会」か「災難」かという怖さだった!!。 フラフラになって帰りました。 大人になってから、キネカ大森で中川信夫様の特集をするので、ひさしぶりに観に行った事がありました。 たしか、中川監督の命日(6/17)酒豆忌にあわせての特集だったので、ちょうど、今ごろ観てたんだと思う。 高校生の頃は、ひたすら怖いだけだったけど、大人になってから観ると、中川監督の映像の洒落た感じ、渡辺 宙明様(調べてみたら、子供の頃はアニメや特撮ものでよく聴いてる方だった)の音楽との組み合わせが斬新で、「東海道四谷怪談」は時代劇で「地獄」は本当、昔から伝わる地獄の風景なのに、どこか、かっこいい。かっこいいのに、不気味さが爆発していて面白かった。 「地獄」は低予算だったみたいなんだけど、発想と俳優の怪演次第で、ものすごい映画ができるんだなーと思いました。 「地獄」のサントラはめちゃかっこよくて、爆音上映で聴いてみたいけど、自動的に悲鳴も爆音になるのよね…(笑)。
ひとつきも
ふたつきも 遅れてくる季節風は 出会うのが 遅くて短い間だった 丘の家 誰かとこんなふうに話していると ふと あの日 ふいていた風がどんなだったか そんな ことばかり 楽しい事のほうが多かったはずなのに 悲しい事のほうが多かったように 思えてきて 仕方がなかったけれど 遅くれてくる 季節風を まとうようにやって来た 短い 手紙が 逆さまにしてくれた
船は沈んでいくけれど
大刷毛を持った あいつらは 沈んだりしないと信じこんでいる それなら 船が絵の具まみれになっていく わけを教えてよ 彼と僕が問いつめれば 素描のできそこない おまえ達に何がわかる? 罵り言葉は 蓋する言葉 船が全部 絵の具まみれになる前に 逃げだそうよ 僕らの望みは 賢い鼠 分裂しながら増えてく鼠に チーズをあげると約束したら あいつらの宝をいただいてくんだ これだけ ひどいめにあわせたのだから それくらい いいじゃないか
「観にきてよかったー」しみじみ思う映画がたまにあります。
原恵一監督『はじまりのみち』がその手の映画で、何でこんなに遅く観てるんだろう…一人で反省会してしまいました。 今の映画には、今の映画のよさがあるけど、中には映画館じゃなくてテレビでやってくれい!と思いたくなるような構図、音楽の映画もあって、うんざりする時があります。 『はじまりのみち』の構図のとりかたが、すごくいい。 人物が頭から足まで入るほど、引いて撮影してるのに、一番奥の田中裕子様の仕草がキラリと光る。 木下恵介監督の姿は写真でしか知らないのもあるんですが、加瀬亮様は木下さんがとりついてんじゃないかしらってくらい。 映画の中で、一瞬、えっ?と思うような撮影があるんですが、事前に打ち合わせの上なのか、即興なのかわからないけど、この演技を目の前で撮影してたら、あんなふうになるの凄く共感できます。 もしも、監督にお会いできる日がきたら聞いてみたい事だらけ。 音楽も、本当、必要なところにだけ効果的に使われていて、自然音とかになると、どんな音を入れてるのか耳を澄ましたくなります。 木下さんの映画を観ていたら、観ていたで楽しめるし、「木下恵介って、誰?」なんて人が観ても、じんわり心に響くものがあります。 木下さんが『陸軍』を撮影した戦時中は「戦場に自分の子供を、喜んで送り出す母親なんていない」なんて、今ではあたりまえの事を発言(表現)したら非国民。 (この時代に日本を逆戻りさせたい人もいるみたいですが) その表現がきっかけで、一度は辞めた映画監督へどう復帰していくか、映画が好きな人や映画(映像)を作りたい人、創作したい人には贈り物みたいな展開です。 まさか、こんなに泣かされるとは思わなかった…(;_;)。 『陸軍』まだ観てなくて、『はじまりのみち』で断片だけ観て、戦前にあんな撮影や編集が存在しててびっくり!。上映する時に観に行かなくちゃ。 映画の中にカレーライスネタが出てきて、むしょうにカレーライスが食べたくなったので、今夜の晩ごはんはカレーライスに決定!!。
懐中時計のゼンマイのくすぐり
くすぐり 太陽の桶に頭を沈めたままの 少年のうなじの 黒髪が濡れた時刻に いっそう強くなったせいで 床に ぶらり ぶらりと垂れ下がり 暗闇の遊園地を指し示す ぼくの歌声なんかで よかったら 切り離された 根っこの棲む 暗闇の遊園地で もっと 歌ってあげるから いい加減 桶から ぼくの頭を 解放してくれないかい?
僕の考えている事を口にできる
彼の背中は 春の猫のように 頼りない ようやく 口にしてくれたのは 花屋の冷えきった倉庫に うずくまる 少年の歌声を 盗む計画で 少年は 陽にあたると 金色の炎になる病を患った まま 僕は まぶしくて 何もおぼえられないから 踏切のラッパをたよりに たどりついた 花屋の主は 配達にでかけたきり うずくまりながら 歌う少年の踝は 陽のあたる地面から 忘れられた星の跡になっていた 死にむかっていく 花達にむけられた歌声は 僕らには 聴こえない 聴こえないから 欲しくなる 僕らは 太陽の桶に 少年の顔を沈めて 宇宙の始まりを待つように 懐中時計を握りしめたんだ
心の内側を語りだしたところで
すべては 曲がりくねった 光りよりも 醜く 曲がりくねるから ただ ただ 退屈して過ごしているんです 太陽の桶の 水面 弾ける事のない 泡の集まりは みることのない 銀河を真似ています ただ ただ 退屈だから 太古の罪は 全ての生き物が 背負うことになったから 全ての生き物が 太古の罪から 解放されました 解放されたから 僕らは 退屈なままで 半分だけの暗闇の中で 金釦を探りあてる 遊戯の後で 太陽の桶を 鞄に隠して 花屋にむかいます
マンガなら、手塚治虫先生『火の鳥』。映画なら、グリフィス監督『イントレランス』が大好きだったりすると『クラウドアトラス』の世界観は「キャーキャー」大騒ぎしたくなるー。
複雑に編集されれば、されるほど、「きゃあー!!もっと、ヤッテーッ!!!」と喜ぶ映画バカなこの身体。あー多分このカットは、この時代の、ここらへんにひっかけてんだろうなーと、謎解きを楽しんでたら、3時間があっという間にすぎていく。 本作にも出演されてる、ベン・ウィショー様といえば「007スカイフォール」に出ていました。 話はズレるけど、邦題に「俺がハビエルだ!ストーカー大作戦!!」とつけたくなるような、ハビエル様のキモかっこよさ全開。 そんな映画の中で、一人、お色気をふりまいていたのが、ベン・ウィショー様だっただけに『クラウドアトラス』では、どんな役をするんだろー?と思ったら、あの役。ナイスキャスティング!!(笑)。 シリアスとギャグは隣合わせと言わんばかりの内容に、終わってみると何本も映画を観たようなお得感でいっぱいになりますわ。 ベン・ウィショー様が気になりだしたら、変態なお色気爆発な『パヒューム』もどうぞ〜♪♪。
僕の映画の趣味は、やや古典的なのかもしれないけど、映画って、照明や何気ない小道具が登場人物の心情を代弁して、それらが俳優と競演するものだと思ってます。
ベルナルド・ベルトルッチ監督「孤独な天使たち」その「競演」がものすごい、華やか。 映画のほとんどが、薄暗い地下室で、僕が知らないだけだと思うんだけど、主な登場人物が見覚えのない若手の俳優さん二人。 なのに、薄暗い地下室にある、数少ない電灯は、人の気持ちにあわせた色彩になっていて、二人の微妙な関係性を盛り上げていくし、なんて事はないような、小道具が少年の心理の変化を見事に代弁していたり。 映像の密度が、他の映画と全然違っていて、格好いい写真を次から次へと見てるみたい。そこに、悶々としたした二人が絡むから、目が釘付け。 目が釘付けすぎて、昨日、字幕がどうのこうのとか書いてて矛盾してますが、映画の後半ほとんど、字幕を読むのを忘れてしまいました(笑)。 中学生の頃とか、歳をとったら、感受性が鈍って、芸術に感動できなくなるんじゃないか?って、不安に思ったものですが、昨日のロベール・ブレッソン監督「白夜」、今日の「孤独な天使たち」とか、監督の年齢からは想像がつかない、感受性に満ちて、洞察力豊かな映画に出会うと励みになります。 6月はベルトルッチ監督「孤独な天使たち」から始まって、ベルトルッチ監督「分身」に終わるという素敵な月になりそー。
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