そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
一定期間更新がないため広告を表示しています
posted by スポンサードリンク |-|-|pookmark|
フォーラム山形で月一回おこなわれる、金曜しねまてーく!vol.2はロベール・ブレッソン監督「白夜」(1971年)。
大久保清朗先生に見所を話していただきました。 お話にもあったセーヌ川の水面、デジタルはデジタルでレオス・カラックス監督「ホーリー・モーターズ」の夜景のおもしろさもあるんですが、フィルム独特の「全部うつらないおもしろさ」もいいもんだなーと思いました。 「ボーイ・ミーツ・ガール」の録音って、ここからきてたんでしょうか?。 恋愛は妄想があって、なんぼ(笑)、好きな人の名前をノートに、漢字、あるいは、ひらがなで書いてみたりして、それだけで、幸せ。そんな状態の映画です。 ほんのちょっとした仕草に「あの子、もしかして、俺に気があるんじゃないか?」なんて思ったりした事ありませんか?。 「白夜」は、爆発する僕のアムール♪状態ですべてが薔薇色の日々。 靴の音だって、車のエンジン音(←一台、一台めちゃこまかい音設定)。雨だれだって、二人の愛を祝福してくれてる!ような気持ちよさそーな音ばかり。 どんな、録音技師さんなのか気になるー。 さー、この男の妄想大爆発!な映画はこの後どうなるんでしょうか?。 深読みすると、70年代のフランスの状況について、いろいろありそうなんですが、そんな裏の意味もこめつつ、こんな「かわいい映画」を明日明日、70歳になろうとする人が作ってしまうって、勇気づけられます。 何で、あんただけがモテるのよ!という声があちこちから出るような気がしないでもないって、何で女性目線?(笑)。 映像の他に見所というか、読みどころは寺尾次郎様の字幕です。 物語の重要なきっかけとなる本が持つ、官能的な文体や、相手に対する自分の欲望を押さえつけている時に発する、言葉の気高さとか、ほんの数秒しか出ない字幕が映画が持つ香りを伝えてくれます。 僕がジャン・ユスターシュ監督「ナンバー・ゼロ」のユスターシュの祖母の機関銃のような語りを楽しめたのも、寺尾次郎様の字幕のおかげです。 字幕は、映画の雰囲気にあわせて訳せば、誤訳と言われるし、全部、正確に訳せば、映画の雰囲気が損なわれるし、本当、難しい仕事だと思います。
なにも見えない暗い夜には
石垣の積みあがった広場に 笛吹きの子供がやってくる 彼は 僕より2歳したなのに 冷たい石より暗い瞳をしてる 石垣の石の数を数えたら 約束に 奏でてくれる 笛が聴きたくて 遠くの鎖骨に光る 汗を つまむ それができたのは なにも見えない 信じられない夜のおかげ いつまで 騙されていることに気づかないんだい? 木靴が合図をよこすまえに 汚された月は 遠くの昔に消えてなくなりましたから 夜はいつまでも暗く 僕は 月に連れていかれる 不安に怯えなくてすむから こうして 石の数を数えることができて 数億の夜 瞬きのあいだの夜でした 笛吹きの子供の 鞄に連れていかれました
ゆられ ゆられ
地の底から ふいてくる風は 金色の糸です 金色の糸は 丸い水を縛りあげる つもりでしたが 縛りあげてみれば 金色の糸 残るのは 聴いてもらえない 音ばかり はるか昔の 出来事の正しさばかり 方角のわからぬまま 投げる礫は 糸の持ち主の 足に絡みつく 蔦の歌声には 何の意味もなさないから 聴いてもらえない 歌ばかり 地の底から響きます
ひさしぶりにRe-Acoustic(福島市大町)に行ってきました。 昨日、5/19(日)は「ザ★大爆唱!!」というイベント。 僕がふだん聴いてる音楽は、種類が少なくて、おなじ音楽ばっかりなので、こういうカフェやライヴハウスにでかけると、あーこういう音楽もあるんだーと知る事ができて楽しい。 hidekiさんの歌声には、独特の響きがあって、真夜中に月明かりをあびながら、力強く咲いてる花のような歌声。 わかりにくい例えですいません。 人の感情の振り幅の豊かさを感じさせてくれる、子供が悩みを抱えているかと思えば、大人が世界の不条理に対して、荒々しく、訴えかけているような歌声。 また聴いてみたいです。 ライヴが終わった後、お酒を飲みながら、ゲストの方たちとお話できました。 このゆるい感じがいいのよね。
「ドキュメンタリー的な撮影」=「手持ちカメラ」と思われがちなんだけど、そうとも思えなくて、ドキュメンタリーの方法論のひとつは「撮影となる対象に徹底的に加担して、余計な価値観を加えない」で「自分が住んでいる社会が、どんな価値観。誰が作り出した価値観に包まれているか考える」だと思ってたりすると、クリスティアン・ムンジウ監督「汚れなき祈り」はとってもドキュメンタリー的。
映画がどんどん賑やかになっていくなかで、こんなにたんたんとした映画を作るなんて、すごい。 精神障害者も宗教、信者…ひとたび事件を起こせば、部外者からは徹底的に『好奇の瞳』で見られる立場になるけれど、撮影となる対象に徹底的に加担して、「偏見」が取り払われた先に見えてくるのは「人を救いたい」という「善意」のかたまりで、観てると患者さんも、信者も気の毒に思えてくるくらいです。 宗教が精神障害者=悪魔憑き、魔女という考え方を生み出して、不幸な結果になるって、どうなの?と考えてしまいました。 いろいろ考えてたら「裁かるるジャンヌ」 で、この問題を提示した、カール・ドライヤー監督のすごさを思い出した…。
世界のタカがはずれたような映像と音楽にどっぷり浸かって、あっという間に終わってしまった「ポーラーX」。
シネマライズ渋谷の椅子から立ち上がりながら「カラックスの映画って、次はいつ観れるんだろー?」。 祝祭の後の寂しさに包まれてから、まさか、13年も待つ事になると思わなかったー(笑)。 映画の持つ魅力。写真が音声と文字以外の言葉を持ち、動き始めた瞬間の驚き、猥雑さが影と深みを帯びた赤に祝福されて、ヨチヨチと映画が、歩きだした瞬間から、人の一生の不思議さが始まる。 おなじ人間でも生きている年齢、境遇が違えば考える事だって変わってくるけど、それらをドニ・ラヴァン様が人間離れした身体能力で変幻自在に演じていく。どれが、本当のドニ・ラヴァン様なのか、わからなくなるくらい、すごいよー!。 「ホーリ・モーターズ」の根底にあるのって、黒澤明監督「夢」なんだと思うんだけど、黒澤明監督と本多猪四郎監督の交流を考えると、ドニ・ラヴァン様のあの衣装の色!音楽!は笑えるやら泣けるやらです。 もう、映画好き。映画好きな日本人には宝物のよう映画です。 すごいはじけた、ダンス、パフォーマンスが観たいなんて人にもおすすめ。 カラックス監督が、映画を撮り始めた頃にくらべると、人間の仕草、動作はいろいろと変わってしまいました。 その事を指摘しつつも、変わった所で、芸術でやれる事は、まだまだあるんだよ!と実際、やってみせるところが、カラックス様のすごい所なんだけど、20年もたってもジュリエット・ビノシュ様(何歳になっても、素敵!)の事を思い出したりする所が(どこかは、観てのお楽しみ)夜の町で、町の音を一人寂しく、録音して歩いてるみたいで素敵!。 何か映画ネタ満載なんだけど、自虐ギャクも満載って、気がしないでもない。ドニ・ラヴァン様って、あれに似てるとは思ってたんだけどね〜(笑)。 ジュリエット・ビノシュ様が出ないカラックス映画の後は、ジュリエット・ビノッシュ様が出るクローネンバーグ映画「コズモポリス」ルンルン〜♪。
ポール・トーマス・アンダーソン監督『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の乾いた映像と、ジョニー・グリーンウッド様の音楽が頭のまわりでグルグル回ってるのが最高で、今回も楽しみにして『ザ・マスター』を観に映画館へ。
のっけから始まる、キレイなのに、現実から突き放されたような映像に、クラシックな香りがするのに、近未来的で偏執狂的な音楽がビョンビョン鳴っちゃうと、それだけで、「ヒャッホー!」と叫びたくなります。 ジョニー・グリーンウッド様といえば、昨年の心のベストワン。リン・ラムジー監督『少年は残酷な弓を射る』の音楽もしてたんだけど、この映画も音をいれるタイミングがよかったなぁ…。 といいつつ、レディオヘッドは数えるほどしか聴いないのだった(すいません)。 『ザ・マスター』は俳優さんがみんな「何かとりついてない?」な状態で「あれ?あれ?何か変じゃない?」な微妙に歪んだ展開…そう、思った時には、ポール・トーマス・アンダーソン監督の魔術におもいっきりひっかかって、あー楽しかった!。 第二次世界大戦の戦勝国、アメリカ。 漠然としたイメージでは、物が豊かにあって華やかな国だったけど、『ザ・マスター』は、戦勝国アメリカの華やかなイメージを再現しながら、戦場に行った人達がどのような戦後を生きたかを伝えてくれる。反戦映画でもあります。
今日はトマス・ヴィンターベア監督「偽りなき者」(デンマークの映画)を観てきました。
ふだん馴染みのない国の映画を観るのは、演出の違いとかを感じる事ができるので楽しみだったりします。 監督の個性が強烈だと、国とかそんなに関係ないような気もしますが(笑)。 「偽りなき者」は、子供のちょっとした嘘をきっかけに、大人の「思い込み」と「妄想」に裏づけされた「暴走する正義感」の怖さが次から次へと出てきます。 淡々とした演出なんで、油断してると、よくわからなくなりそうなんですが、よーく、観て、登場人物の心の揺れを把握してくと、この怖さがジワジワ迫ってきて、ホラー映画でも観てるような気分になって2倍に楽しめるかも〜。 「戦争は負けない」だの「原発は絶対壊れない」だの「妄想」と「思い込み」が蔓延してる国に住んでると、「あーこういうのわかる、わかる!」とスッキリしてきます。 それにしても、ほんのちょっと順序だてて考えたら、矛盾してる事がわかりそうなものなのに、疑われた人の生活歴がちょっと他の人と違うと「はじめに有罪ありき」になる発想って、国や人種が違ってもあるもんなのね…。
月の夜に歩く路地は
きしんと 軋むラムネ瓶の破片で 鳥籠を真似た 窓ガラスにうつる 青い影は 丘の上で離ればなれになった あの ただ ただまぶしい5月だった 騙すように 思いこんだのは いるとか いないとか どうでもよいことで 左手にできた火傷と 彼の右手にできた 痣のことばかり考えているうちに 僕は小さな みずたまりの月を砕いてしまっていた
(C) 2024 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.
|