そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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必要としてるのは
確かな物よりも ぼくらの 心の空をおおいつくす 予言だった 偶然? 終わらせるために 知らないうちに 散りばめられたのは 雨の夜に扉を叩いた 濡れた靴の少年のおかげじゃなかった? 夜の公園に 残された足音を 彼の物じゃないと 決める事はできないじゃないか
よく通っているつもりの映画館「ここって、こんなに外の音が漏れてくる映画館だった?」疑問に思ったら、映画の効果音だった…。すいませーん。
スピルバーグ監督の映画って、その場所の『空気感』が伝わってくる事がよくあって、一番好きな『空気感』は『宇宙戦争』。これ観たら、その昔、オーソン・ウェルズ様『火星人襲来』のラジオを聴いて動揺した人の気持ちが、わかった気がしました。 『リンカーン』の音のリアルさって、当時の人間にとって、どの音が聴覚を刺激するのか?という想定から始まって、どの音を削ったらリアルに感じるか?という事を物凄く細かくやってるんだと思う。 音の知識ゼロなんで、間違えてたら恥ずかしいんですが(苦笑)。昔ながらの、馬車の音パッカ、パッカのアフレコ感と現在の音響効果の技術の良さが融合してる。 この音の良さがあるからこそ、あの、室内の陰影の凄さが生きてるんだと思う。 大好きな本のひとつが谷崎順一郎様の「陰影礼讚」だったりすると、『リンカーン』あの暗さは快感です。 ダニエル・ディ=ルイス様演じるカリスマ性と人間臭さの混じったリンカーン像を観てると、スピルバーグ監督が一番言いたい事って「報復すればいいってもんじゃない」なんだと思う。 テロの犯人かどうかもろくに検証もしないで、異教徒、有色人種なら、殺してしまう 現在のアメリカ、西洋社会が作りあげた、ステレオタイプな原住民の野蛮さを自ら体現しているアメリカ。 自分の暗殺事件の裁判の超テキトーさとか、リンカーン大統領にはどう見えるんだろう…?。 ロバート・レッドフォード監督『声をかくす人』と二本立てで観たい、メチャ疲れそうだけど(苦笑)。
子供の頃に映画館で、原爆の映画を観た記憶があって、あの映画って、何て題名だったんだろう?長いあいだ、謎に思ってたんだけど、東京にいた頃に古本屋さんで手にとった映画のパンフレットの写真を観て、もしかして、これ?な映画が木下恵介監督「この子を残して」だった。
残念ながら作品はまだ観てない…。 木下恵介監督の映画は大人になってから、数えるほどしか観てないけど「二十四の瞳」はすごかった。 何がすごいって、映画の後半○分頃に、観客の感情を揺さぶるには映画の×分頃に、役者をどの構図で切り取って編集すればよいか、全てが計算されていて、あの手この手で泣かせ入っていって、いくら何でも、泣かせすぎなんじゃと思うくらい(笑)。夢と希望に溢れた教師の心の変容をすごーく突き放した視点で描いていくところ。 高峰秀子様の目つきが、追いつめられて、どんどんすごい事になってくんだけど、この細かさって映画館で観ないとわからないのよね。 あと、ものすごいのがカメラの引き。 いったい、どこまで被写体からカメラが遠ざかる事ができるのか?と実験してるんじゃないかと思えるくらい、今のテレビで観る事を前提に、撮られてる映画に慣れてると、前衛映画でも観てるような気分になるから不思議!(笑)。 そんなわけで、フォーラム山形で上映される『はじまりの道』公開記念、木下恵介監督特集『二十四の瞳』5/18(土)〜5/24(金)と『楢山節考』5/25(土)〜5/31(金)よろしくお願いいたします。 今回の特集に入ってないけど、望月優子様演じる母親がこれまた泣かせる『日本の悲劇』もすごいです。
フォーラム山形(山形市)で、世界の古典、名作を月に1回金曜日に、山形大学人文学部専任講師大久保清朗先生に選んでいただいて上映と解説つきの「金曜しねまてーく!」が始まりました。
第1回目はフランソワ・トリュフォー監督「恋のエチュード」。 フォーラム山形の映画上映開始前のお知らせのチャイムは、スティーヴン・スピルバーグ監督「未知との遭遇」に出演されていたトリュフォー監督が使っていた、あの音楽♪♪♪。 トリュフォー監督の映画のまえに、これが流れるなんて、あの世からトリュフォー監督が降りてくるみたいで、ウキウキ。 トリュフォー監督の映画って、妙に居心地がいいのですが、それが、今だったら「変人」で、かたづけられそうな人達が、次から次へと出るからなのは気のせいとして(笑)、人生において、ある日突然やってくる『熱病』のような感覚を大切にしてる人なんだと思う。 「恋のエチュード」。 マザコン男に、どこかズレてる母娘…と昔のラブコメみたいなのに、ある事を境に『熱病』が大爆発して、幸せを手に入れたい欲望、願望。それを手に入れる事の喪失感を描いてくんだけど、その寂しさがいいのよね〜。 その『寂しさ』、監督が狙った題材を楽しめるのって、作り手がどの材質を選んだか、その材質にどこまで寄り添って、観る事ができたかにあると思う。 例えば、絵画を原画と印刷物で見た時の違いのように、映画は映画館で観ないとわからない事があります。 「恋のエチュード」の暗闇や黄昏時の眩しさ、オーバーラップする時の人物と風景の重なりあい、それらはトリュフォー監督や撮影監督のネストール・アルメンドロスがスクリーンで上映した時の事を計算して作り上げたんだもの。フィルムで観る事ができて幸せです。山田宏一先生の字幕素敵…。ホレボレ…。 映画が終わったら、普通に帰ってしまう事が多いんですが、大久保清朗先生に映画の話をしていただくと、あ、あの場面は、あの作品を撮影していた頃から着想されてたんだな〜と映画作家の足跡を辿るようで、映画をいつもの倍、楽しむ事ができました。 次回の5/31(金)ロベール・ブレッソン監督「白夜」も楽しみです!。
忘れてしまった ひかりの
胸ポケットに つながっている おもいが すてきれなくて また 鍵を開けて 入ってみたよ そのままなのに すこしずつ 色だけが落ちていく世界に 水色の繭が残っていた それは 彼が 発作を起こした時に 口からつむぎだした 繭で 耳にあてると 忘れてしまった ひかりの あたたかさの 吐息がした
そんなに観てないけど、ケン・ローチ監督の一貫してる所って、見落としてしまいがちなのに、実は大切な状況に気づかせてくれる所。
「天使の分け前」道からはずれてしまった人たちがやりなおそうにも、そう簡単にはいかない現実を伝えながら、どこにどんなチャンスがあるかわからない事も伝えてくれる。 チャンスを生かすにはきれい事ばっかりじゃなくて、「したたかさ」も必要だよとこんな歳上の監督さんに言われてしまうと、ニマニマしてしまいます。 でも、それも、ほどほどにしないと状況を変えられないよ〜。さりげなく伝えるあたりがいいな〜。
ドロタ・ケンジェジャフスカ監督( Dorota K dzierzawska) 『明日の空の向こうに (Jutro b dzie lepiej)』を観て頭の中がすごい事になったー!。
前作『木洩れ日の家で(Pora umiera )』撮影当時91歳(!)のダヌタ・シャフラルスカ様 (Danuta Szaflarska)演じる女性が「老い」と「死」を向き合う話で、その仕草が豊かで人間ってこの歳になっても、演技できるんだーと驚きの連続でした。 女性の近所に学校があるんだけど、そこの子供達の表情がこれまた、キラキラ光っていて、この時点では監督が過去にどんな作品を作られていたか知らなかったもので、生意気にも「この監督が児童映画を撮ったらすごい事になるんだろうな〜」と思ったものでした。 新作の「明日の空の向こうに」萩尾望都様の作品に出てきそうな子供達が、自由な暮らしに憧れて「隣の国に行っちゃえ!」というお話。 この監督なら『トーマの心臓』実写にしてもいいと思う〜。って、何の話だ。 これだけでも、頭の中がクラクラくるんですが、題材がロシアだからか、監督さんが全ソ国立映画大学で映画を学んだからか、わからないけど、おもいっきりロシア映画していて、心の祖国ロシアとまさかの再会。 くどいくらいに流れる「鶴は翔んでゆく」児童映画なのに赤提灯で一杯ひっかけたくなる、この、やりすぎ感が素敵ッ!!(笑)。 子供達の演技が本当に自然で、いったいどんな演出をして、どんな場所から撮影したらこんな事になるのか、監督さんに根掘り葉掘り聞きたいくらい。 ただ自然なだけじゃなくて、3人組が他者に出会った瞬間の戸惑いといった関係性の違いまで、撮影しちゃってる所がすごい。 ほんの数分の出演の人でも、その人をとりまく環境を気づかせてしまう隅から隅まで徹底した作り。 比較していいもんかわからないけど、知らないふりして、俳優の指先まで操る木下恵介監督の映画くらい怖い。 人間の表情もすごいけど、自然撮り方。 自然の懐の深さをおさめる事で、自分達の都合で「ここから先は俺の土地」と金網を張り巡らす事について考えさせてくれます。 たまに「CGがあれば生身の俳優はいらない」なんて話が出るけど、こういう映画に出会うと、自分が観ている生身の俳優、人間の演技って、ほんの一握りで、まだまだ未知の領域があるんだなーと思いました。
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