そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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ぼくの兄の悪口ばかり云いふらすヤツに会いたくなくて
銭湯、お風呂屋さんに逃げ込んだら お風呂屋さんの奥さんは誰も知らない 広大な浴槽を教えてくれた 浴槽のむこう側には 色を忘れた砂の街 ぼくは痩せ細った犬をかかえた奥さんに連れられて 廃墟にもなりきれない砂の街へ 買い物につきあわされた 何だか怖くなって 帰り道を聞こうと思ったのに 痩せ細った犬をかかえた奥さんは 月の歌に消えてしまった 残された犬をかかえて もときた道へ引き返そうとした時に 兄 お兄ちゃん 彼はぼくの母親が2回目の結婚をした時に 家にきてくれた 兄がむかえに来てくれた ぼくは兄の匂い プール帰りの塩素まじりの匂いを確認 兄に神様たちの欲望の話を教えてもらいながら 柱時計の橙の家へかえるんだ 昼間に抜けた歯を兄に見せるためにポケットを探りながら
重たくなった気持ちを抱えきれなくて
地下に沈みかけた夜 池のほとりで あの人は 気持ちを預かってくれた すべてが解決するわけではないけれど 別れ際のすこし照れくさい握手は 重たくなった気持ちを コインロッカーに預かってくれるみたいで ぼくは楽になれて 地上にいることができた
狭い狭い部屋は実家から運んだソファーでさらに狭くなった
ベッドがわりにもなるし ソファーの色は深緑 部屋の中に森があるみたいで多少狭くてもいいかと思う ソファーを運んだ記念(?)にパンを買いにでかけたら 途中の猫の集会場で子猫がカラスにいじめられていたので カラス追い払ったついでに ──2〜3日だけなら 猫にも人間にも言い聞かせて部屋に連れ帰った おとなしくしていたのは部屋のドアまでで 中にはいった途端 走りまわるとびまわる… これだけ元気だったらカラスから逃げられるような気がする ようやく落ち着いたのはソファーのうえ おとなしいのはいいけれど 僕が寝る時間になっても動かない 床に寝るには今から大掃除になる 仕方がないから 子猫を潰さないように体をよじりながら ソファーに寝ることにした 猫が潰れないか心配していたが 朝になるころには 猫は人の頭を寝床がわりにしていた
砂嵐の日に見えないボール転がった
あっちへ コロコロ こっちへ コロコロ 用のない人には見えないけれど 仲違いばかりしている人や 部屋のすみにいる人のところへ コロコロ コロコロ 転がっては 仲違いをもとに戻したり 部屋のノブに手を伸ばさせてくれる いつの間にか 楽しませて 楽しむ姿を見ると またコロコロ どこかへ転がっていった
暗い森の中で見失った時のために
ここに王冠を埋めておこう この王冠をたよりに きっと会えるはず どんなに暗い森でも 植物 花に満たされている 荒野よりはましさ だから あきらめないで 見失った時は王冠のところで また会おうよ 奇跡はおこるものではなくて 奇跡はおこすものだと思うよ
最後の電車に置いてきぼり
ひとりで歩くより ふたりで歩くほうが短く感じるんじゃない の? それもそうだね 駅が小さくなるまで よたばなし 駅が見えなくなったころ こいつでもこんな悩みがあるんだ… うなずいたりするので精一杯 おまけに道まで間違えた その話は誰にもしていないの? うなずいたのを見た瞬間 ぼくは得意になった ぼくの嫌なところに太陽がのぞきだす ぼくはごまかすように 鞄のチョコレートをはんぶんこ やたらと苦くて こんなだったら甘いやつにすればよかった ぼくはチョコレートをかじる友達の口を見ながら 言葉の意味を心の奥に大事にしまい込んだ ぼくたちを追い越す いちばん電車をながめながら
下高井戸駅の階段を降りると、安売りの果物やら野菜やらを買
ってから、下高井戸シネマへ(映画を観た後だと、映画にどっ ぷりはまって、映画の余韻を楽しむあまり、下手すると道に迷 うから、先に買う) 都心の映画館もいいけれど、下高井戸シネマのように商店街 の近くにあって「あ〜帰ってきた」とまったりできる映画館は とても貴重だ。 このまったり感、雰囲気のよさは山形市のフォーラムの雰囲気 にも似ていて、何か疲れたな…なんて時にいくと癒されたりし ます。 何年も映画館のスタッフの方が同じなのは、安心感があるんで すよね〜 下高井戸シネマのいい所は雰囲気のよさだけでなく「あ、これ 観たかったんだよな〜」という作品が次々かかるところ。 しかも会員になれば1本1000円! 都心の映画館も好きな所があるけれど、映画を観たあと、人の 多い道や、地下鉄に乗ると映画の夢がすぐさめてしまう。 下高井戸シネマで映画を観た後、余韻を楽しみながらフラフラ 商店街を歩くのは気持ちがいい。 ちょっと歩けば温泉の銭湯もあるし下高井戸は素敵な街です。
カーテンの裏側は顕微鏡に占領されていたので
ゼロとぼく 楕円と円を繰り返す田園のさき 夜だけ笛吹きがでかけた 地下室に忍びこんだ 先客の野良猫、ドゥジイ・ダリア 神の化身 その野良猫が覗きこむ 水槽の水面 実際の星空よりも 星をはっきりとうつしだす水槽の水面 ぞくっ ぼくはとにかく あの日のスプーンを思いだす 胸の奥を救いとられるんだ! そんな気がして心臓のあたりをおさえた ラッパの音 ラッパの寝息が通りすぎて 雪が迷い込んだ ゼロはほんの一瞬押さえ遅れただけで 弦楽器でできた人形にされてしまった 逃げるんだ! 雪のささやき 秋桜で溢れかえる鞄に 人形のゼロ しまいこむ 野良猫 ドゥジイ・ダリアが試験でもするような あくびを気にしながら 秋桜で溢れかえる鞄に 人形のゼロをしまいこむ ゼロ、ゼロが いま奏でた曲は何ていう曲?
絡まった電線は ぼくの悩み そのままだ
烏瓜が爆弾になるのか?ならないのか? 作り物みたいな空のしたで 絡まった電線のように悩んでみる ぼくはきみの白いシャツに 烏瓜 烏瓜を爆弾として投げつけたい衝動にかられている 心の広いきみのことだから 許してくれるよね? ああ あの曲がり角へさしかかったら 明日までお別れだ! いましかないんだ! 3、2、1、0!見事命中! …きみの心の広さにも境界線があることが わかったよ …ごめんなさい
大好きな物語の中には
いつもあなたの声が聞こえていた あの頃はおなじ人が声をあてているなんて知らなかったけど みんな あなたの声だった ぼくのまわりはケンカや悪口の声ばかりで あなたのやさしい話し方はどこか懐かしくて こんな友だちがいたらいいのにな…と思っていました いつの間にか物語の中からあなたの声は消えてしまったけれど あなたの声の優しさは心の中に 消えることなく残っているみたいです
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