そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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ぼくがこの家に来る前からいた犬は
寒がりでいつも寝てばかり ストーブの横とお風呂場を行ったり来たり ぼくがいても わんも何も言わない ただ見つめているだけ 全然 散歩やボール投げにつき会ってくれない 散歩やボール投げにつきあってくれる 犬がいる友達がうらやましかった 大雪の日 犬はストーブのとなりにいなかった お風呂場にもいなかった 一度も散歩もボール投げにも つきあってくれなかったけれど ぼくは 何かをもらっていたような気がする
そう ぼくは 誰かに気づいてほしいのかもしれない
ところで ぼくは何を気づいてほしいんだろ? 気づいてほしいくせに 自分の弱い部分や 本当の名前まで言い当てられたくはない 信号をおくる術は増え続けるけれど 信号をおくる言葉は増えやしない 誰かに気づいてほしいけれど 気づいてほしくはない 気づかれないように 気づかれるように ぼくは そっと 世界を壊す
灰色街の階段通りで 夜中にこっそりクレヨンダンス
いたずら黒猫やってきて つめたて ひっかきクレヨンダンス おかげで灰色街は色だらけ 街の偉い人は困ったけれど 街に住んでいる人々は大喜び 今夜もどこかでクレヨンダンス 黒猫も一緒 クレヨンダンス
学校めがけて駆けていく子ども達の声で目が覚めたら
床には使った食器に
逃げおくれた月みたいなケーキ
誕生日がくると さむくなるのは嫌だけれど
2度寝しやすいから あまり文句も言えないない
それにさむいおかげで タオルケットにくるまれた
友達の背中の あたたかさを気持ちよく思えるし
いいことだってある
どこかの洗濯機の音を聞きながら
逃げおくれた月が そのままいてくれるのを願いながら
ぼくはウトウト…
生まれて気づけば うそつきばかり
学校で習ったことも 大人から聞いたことも うそだらけ ふるえる背中は うその数だけ ふるえている 信じられるのは 友達からもらった月の石 これだけはなくさないように 握りしめ続けている 本当がかえるように 暖めているみたいだ
子どもの頃 あのポケットに手をいれるのが夢だった
一度くらい手を入れてみたいと思わない? 今日交差点で信号を待っていたら あいつがピョンピョンはねてきて ぼくの隣で立ちどまったんだ! ──しめた!いまだ! カンガルーのパンチがあんなに速いとは思わなかった まず あのパンチをよける練習をしないと無理みたいだね…
世界のはじっこが見たいなんて きみが言うから
鍛冶屋さんに頼みこんで作ってもらった 鋼鉄の弓矢に鎖 鎖をぼくらにまきつけてから 思いっきり太陽に打ち込んだから あとは太陽が沈んでいくのを待つだけだ もうすぐ鎖がなくなるから ぼくらが引っ張られる 後悔なんてしていないよね?ぼくも一緒だし 世界のはじっこまでいけたら どんな願い事だって かなうかもしれない いまの壊れたレコードみたいな状態だってよくなるはずさ
身体の中のライオンを静かにさせることができなくて
ぼくは抵抗できない人を殴るような真似をした 四角い窓がゆれて ぼくのことをあざけり笑う 抵抗できない人を殴るようなまねをしたぼくをあざけり笑う これは苛立ち? 不安? こぶしに残る感触だけがはっきりしているなんて あんまりだ 花束の中のライオンから どうやったら逃げられる? 自転車を捨て去った夜 ぼくは壁画の道で…
うとうとしていたら
中華そばの麺はのびて なるとを持ちあげでいた ケーキを買いに行こうとでかけたら いつもの抜け道には いつもより多く猫がまるまっている それに 塀のむこうでは のんきそうな太鼓の音 ぼくはどんどん ねむくなっていく 日曜日の昼下がりは いつもとどこか違うんだな…
人のやる事は昔も今もおなじだったりする
昔に撮られた映画に出会うたびにそう思う 「大人は判ってくれない」のアントワーヌの気持ち 境遇 子育てが複雑になれば学校に難癖をつけ 専門家に依存する 大人たち… 1959年に描かれた問題は 今の日本で「新しい現象」として 報道される問題そのもではないだろうか? 「新しい現象」は昔からあって「新しい現象」のように思いこ まされているのではないだろうか? そんな事に気づかされた 「大人は判ってくれない」に はじめて出会ったころ ぼくは 大人になっていた できれば10代の頃に出会いたかった 子どもの気持ちをわかって それを映画で代弁してくれる大人 がいる事を発見するのは とても大切な事だと思うから 上映会場の東京国立近代美術館フィルムセンターには 東和 映画のポスターが展示されていた いままで本でしか見た事のない「大人は判ってくれない」のポ スターが!あの一場面をこんなに色彩豊かに描かけるなんて… 野口久光氏のすごさを改めて感じました。
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