そらいろキップ
言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が
すべての、真実。
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きれいなテーブル きれいなイス きれいなマグカップ
何もかも揃いすぎていて 何だか落ち着かない そんな世界から抜けだしたいけれど 家出をする勇気もない僕たちは ながいながい散歩にでかけてみる 公園のハシゴをしたり 知らない町のパン屋に行ったり 地べたに座ってパンをかじってみる 雨が降ったり 寒くなったら コインランドリー コインランドリーで夜明かししてみたりすると だんだん 心の紐がほどけていく気がする すこしヒビの入ったマグカップがあれば完璧なんだけど…
鳥達の集う湖で 背中に羽を持つ人が
月あかりに照らしだされた花のように 水あみ 天使かと思ったけれど 神さまのいない国に天使がいるわけもない 水あみにほうけているあいだに ぼくの胸のうちは がらんどう 太陽に透かされた がらんどうになる前 何があったのか思いだしたくて 鳥達の集う湖へむかったけれど もう 湖にはたどりつけなかった
この星に憧れて落ちてきたのか
たまたま落ちてきたのか 忘れてしまった 長いねむりのあいだに姿も変わってしまった 夜空を満たしている星のひとつだったなんて… 星の子ども達は今夜も歌う 森の木も草も色を失ったころに しずかに葉をゆらしながら 流れ落ちる星をくいとめる歌を歌う 歌は夜空に届くこともなく 大地をさまよいつづけるけれど それでも 星の子ども達は歌い続ける
くだり坂の踏切りに足どめをくらって
ぼくはふてくされる こんなふうに待っている間に 桜通りを あの子が通りすぎていく 今日は会えると思っていたのにな こいつのせいで 会えなくなった オレンジの太陽が 白い月をよびだしたころ やっと踏切が開く その瞬間 あの子がむこう側から歩いてきたんだ! あいさつなんて できるわけもなく 目を合わせるのがやっとだった いつもは嫌な踏切だけれど 今日くらいは 感謝したくなった!
あのさァ 虫の鳴き声でも聴かない?
涼しい夜だってのに 缶ビールを抱えて きみがやって来る ほとんど泡になったビールは きみの気持ち 虫の鳴き声なんて口実なんだろうな… ぼくは泡を見ながら 缶ビールを抱えた胸の中の気持ちを考えてみる いつもは泡だらけのビールはごめんだけど いまは嬉しいような気がする
プールになれたぼくには
川の水はつめたいけれど もぐった瞬間 身体が不思議な甘さに包まれる プールになれたぼくは何処までも泳いでいける そう思いこんでいるけれど 川の水は 自分の思い通りにいかない事もあるって 教えてくれる プールになれたぼくには 水の中は薬のにおい 見えない箱の中 川の水はつめたいけれど 魚や植物達と どこかでつながっているみたいだ
誰からも忘れてもらいたくなった時に
河原のすみっこで バスは待っていてくれる 運転手も誰もいないバスは 昔のにおいの缶詰みたいだ ぼくは15歳の誕生日が来る前に 消え去るんだ 消え去ることなんて怖くないけれど 生まれる前の ぼくがどんなだったか知られるほうが怖い 緋色のオルゴールの蓋をあけるみたいで 怖くてどうしようもなくなった時にも 河原のすみっこで バスは待っていてくれる ここならぼくの事をおぼえている人なんて誰もいないから ぼくは安心してねむれる 昔のにおいの缶詰みたいなバスのなかで
月あかりに浮かんだ猫背の背中
ふれたくても ふれてしまったら壊れてしまう 言葉にしたら 壊れてしまう 虫の声がなりやまない 月あかり 猫背の背中に近づきたくても 近づけない おどけて 猫じゃらしで遊んでみる
薄荷がものすごいはやさで走り去る
草むらにかくれたイルカからなにから ないまぜにして 彼はいつも あんな薄荷に憧れる 薄荷になれる方法を考える 薄荷のように 透明に 薄荷のように 一瞬できえる緑の炎のように 彼は校庭の土でよごれた靴ひもを発見しながら 薄荷になれる方法を考える そして 薄荷のように消え去りたいと考える
薄荷がものすごいはやさで走り去る
草むらにかくれたイルカからなにから ないまぜにして 彼はいつも あんな薄荷に憧れる 薄荷になれる方法を考える 薄荷のように 透明に 薄荷のように 一瞬できえる緑の炎のように 彼は校庭の土でよごれた靴ひもを発見しながら 薄荷になれる方法を考える そして 薄荷のように消え去りたいと考える
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