そらいろキップ

言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が

すべての、真実。




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葛城事件   赤堀雅秋監督

赤堀雅秋監督『葛城事件』。
殺人事件が起きるたびに繰り返される、加害者の異常さだけを伝えたり、加害者の家族を追い回す報道がどのくらい現実の世界とずれているのか教えてくれます。
よくこんな怖い映画を作ったなぁ。
ジョン・カサヴェテス監督の映画くらい怖い。
作り手、演じ手の人達の映画を作る気合、覚悟に尊敬してしまいます。

平凡な暮らしをしていた人達が小さなひずみから、精神的に追い詰められていく過程を何ひとつ思い込みも偏見もなく、加害者とその家族を普通の人間として描いている。
精神的に追い詰められた人間はどう物事を認識して言葉にして行動するのか。
しっかりと裏付けされた台詞と演技の物凄さ。
三浦友和氏が演じる父親がどんな躾を受けて育ってきたのか。
その社会はどんな価値観で構成されているのか。直接的には出てこないけれど、父親が受けてきた抑圧が亡霊のように支配している展開には寒気がしました。

言葉のひとつひとつが重要な意味を持つ『葛城事件』。
この声の響きの美しさ、音が耳の中にスーッと吸い込まれていって、聞く人によっては不快な内容の台詞がストンストンと入ってくる音の魅力はなんだろう?と思えば、小川紳介監督『ニッポン国古屋敷村』『1000年刻みの日時計 牧野村物語』の録音をされてきた菊池信之氏。
小川さん達の映画の面白さのひとつは、映画に記録された人達の語り(声の響き)にあるので、なんかすごい納得。
そして、季節ごとの光を感じさせながら、人間の表情をギラギラとあぶりだす、この照明のすごさはなんだろう?と思えば、熊切和嘉監督『海炭市叙景』、呉美保監督『そこのみにて光輝く』の照明を担当された藤井勇氏だった。

心を動かされる映画は監督は違ってもおなじ方が担当されていたりするので、スタッフさんを調べてみると面白いです。

posted by 永島大輔 18:29comments(0)trackbacks(0)pookmark





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