そらいろキップ

言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が

すべての、真実。







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しろく ぼんやり うすあおく ひかる

なんのあてもなく
確かなものもなく

城壁を越えたのは

生まれる前からの 
友達が待っているから

あの むこうがわに

顔もわからない
名前もわからない
彼がいるのは
橙の灯りがともる街

みんなに知られる事もなく
忘れさられた街を

路面電車が通っていきました

乗っているのは 
星空の仮面の人ばかりだから

僕は不安になる

ねぇ たとえば不安になっている僕がこの座席に座っているとしたら
いまから到着する 駅にいる僕は
誰になると思う?

鞄に隠れている 彼は
まだ 形にならなくて

真夜中の笛のように
話しかけてくれるから

すこしだけ 安心できる


駅で看板を みあげる僕は 

しろく ぼんやり
うすあおく ひかる

手紙に 城壁に置き忘れてきた

それは わざと

城壁に置き忘れてきた

友達のことを思い浮かべていた












posted by 永島大輔 20:27comments(0)trackbacks(0)pookmark





あいつと僕 幽閉少年

生まれついての幽閉な少年は、天の窓の向こう側のほうが幽閉だと思ってる、あんなヤツのどこがいいんだよ?。
確かに生まれついての幽閉だけれど、例えば、雨垂れに混じって、血まみれチマチマ泡ぶくぶくな人達が、落ちてくるのを眺めているとだね、何故か苦悶の満ち潮で、知らない島で戦争をしようとはりきっていたくせに、自分の子供が吹き飛ばされて大騒ぎの見苦しさったら、血の海の底で銭漁りだよね。

そんな人達に比べてみたら、あの星が瞬く前から、この天の窓に幽閉されてる、おれはなんて、自由なんだろうって。
君たちだって、そう思うだろ?。

僕は、ギクッとしました。
ぼくはこんな理屈をこねるヤツに弱いのです。
何するんだよ?。ぼくが僕を睨むのは、幽閉少年の瞬く星なんかより、ずっと素敵なんだ。
理屈をこねるヤツに弱いなら、強くするために、痛めつけるのさ。
ネェ、こうしていると、敷物になった虎の気持ちがわかるだろ?。
虎というより、小人に磔にされてるみたいで、いい気持ちがしないよ。

しばらく、黙っていなって。
巨人気取りのぼくの頬、簡単には消せないように、虎のひげを描いてやった。

酷い事をするんだね。
酷い事?見てるだけで、僕の事を止めないオマエはどうなんだい?。

僕は、止めて欲しくて、止めて欲しくて、ぼくを痛めつけているんだからな。


posted by 永島大輔 20:43comments(0)trackbacks(0)pookmark





あいつと僕。 雪の華。

雪の華がひっそり、咲いたから、僕は、誇らしい気持ちだった。
あいつの記憶、なぜって…。僕が知らない記憶を手にいれたも同然だったから、なんです。

僕が知らなかった記憶は、あいつも知らなかった記憶に、違いなく、それは、すなわち、前世の記憶に変わりない。

歌う事を禁じられた歌姫は、背中に紙切れを貼りつけられた男を、どう思っていたんだろう?。
死神の隣にひっそり、佇む歌姫は、僕達ご、濃いめの檸檬汁を混ぜた炭酸水をご馳走してくれた。

歌おうと口を開けば、夜の闇。
銀河系より、ずっと先の、孤独から流星群が、床に広がっていくから、あいつは僕の首根っこ引いた。
これに、触れたら、たちまち、凍りついちゃうんだよ。
平気なのは、死神だけなんだから。
死神は、馬鹿にしたように、僕の顔つきを真似ているから、僕は、とっさに、天窓の片隅に逃げようとしていた、ぼくを問い詰めた。
あの、僕を真似た死神と、死神に真似られた僕、どっちが、いいんだい?。

君って、結構、幼稚な所があるんだね。
ぼくがこたえるのと、おなじくらいに、歌姫の口が、子供の惑星だから、腹がたつんだ。

床の宇宙に漂う、子供の惑星は薄緑、それは、ぼくが僕に出会った、五月の時間そのもので、それが、答。

わかった?。
それなら、今夜は、この天窓に泊まる事にしようよ。
今なら、蒼い月の影絵に間に合うから。

天窓、天窓、天の窓、この星で隠された、全ての魂が集う窓。

隠された物なんか、ないだって?。
それなら、きみの家の下、大漁骸を説明してごらんよ。
骸がガシャコショ、ガシャコショ歩くたび、笑いこけるから、人間の足音なんか、なに、ひとつしやしないじゃないか。

天窓の番人きどりは、生意気そうな下級生で、その、掠れた声を、僕は楽譜に写したくなったのに、あいつは僕の万年筆をとりあげた。

たとえば、あの、番人が、もう一人のぼくだとしたら、それでも、君は、楽譜に写すつもりな…。
言い終わる前に、ゆっくり、ぼくの肌に沈み込む万年筆のインクは、白色で、これなら、僕の事がだれにも、バレる事はないんです。

万年筆のインクが、ぼくの中に流れ込むのは、魂の感染で、どの傷みよりも、ぼくは生きている事を実感できていたから、気づかれないように、雪の華を咲かせました。


posted by 永島大輔 22:04comments(0)trackbacks(0)pookmark





あいつと僕。

世界が終わる前に、僕達を迎えに来たのは、青い自転車で、午前五時の青い光は、僕の友達の鎖骨の曲線を遺跡のような影をつくるのに充分だった。

いつしか、呪いが降りかかる前に、あいつらの事を呪えばいいんだよ。
ドウ・ジィ・ダリアは花壇の海から、語りかける橙の花弁で、僕達は言う通りに、呪いをかける方法を探す事にしたんだ。

ぼくが迷いこんだのは、汽車が甦る前の線路だったんだ、ほら、夏祭りの夜に、湖に沈みこんで行った汽車の事さ…なんて、言っても、きみがこの町に来る前の事なんだけとね。
あいつは、僕が、感情を抑えられなくる方法を何から、何まで知っている。僕は、自分がこの町に存在しなくて、彼といられなかった事が、前世の償いを探りあてられないくらいに、悔しい。
悔しいから、僕は、吸血鬼のように歯をたてた。

二人乗りの青い自転車は、錆びついた、喘ぎ声。
体育館の壁に飾れた、奇妙な抜け道に。それは、傀儡の患者が描いた夢想。

そう、呪うべき存在はそれ、なんだよ。

彼の首筋の歯形は、僕の物で、それは、吸血鬼にすらなれない事をしめしているから、途端に悲しくなってきた。

こんな、僕にでも、あいつは、優しくて、吸血鬼になれない僕のために、代役をしてくれる。

あいつの八重歯が、僕の世界を突き崩す寸前、線路を、たった一人で歩いていた。

ぼくは、何度も死のうと思ったのに、死に方がわからない。
死に方がわからないから、助けてほしいんだ、ぼくの事を助けてくれたら、彼は僕に全てを捧げてもいいと、古びた手帳に、星がちりばめられた、手紙をよこしてくれた。


星がちりばめられた手紙を旅しながら、漕いでる自転車は、あいつが後ろで僕が前で、一台しかないから。
僕は、やっぱり、後ろに乗せている時がいいな。
ぼくは嫌だな、それって、黄泉の世界から大切な人を連れてきた人の話を思い出すから、空っぽの世界は、そう、神話の世界から、なにも変わってやしなかったんだ。
その、証拠にぼくたちの問いかけに、大人は、気が狂ったふりをするだけなんだもの。
気が狂ったふりをするしか能のない、大人ばかりが、集まって、ひとつの島が阿呆船。
見えない悪魔を作り出して、自分達が悪魔の餌食になったなんて、間抜けだよね。

やっぱり、僕の確信は正しくて、ぼくはよく見抜いているから、自転車の速度をあげた。
どうしたの?。
ゆっくりがいいんだけどな。
僕は、炭酸水が飲みたくなったから、ねぇ、炭酸水を飲める店を探してるんだ。

寝泊まりするはずの、公衆電話を過ぎた先にあったのは、少し傾きかけた酒場で、僕達は入る事ができるかな?。
僕が心配していると、お金がもらえるなら、こんな事を気にする人なんて、もう、いなんじゃないの?。
僕の肩をだくあいつの手のひらは暖かいのに、比べて、酒場にいるのは、眠ったままの店員も、死神だけで、死神は仕方なさそうに、炭酸水の注文の仕方を教えてくれたから、僕は、言う通りに、ズボンのベルトを抜いて、太陽を破るように、店員を叩いて馬乗りになってやった。
弦楽器のやつも隠れてたんだんね。
あいつが、壊れかけた電灯を口で消したのと、地下室から、店員が炭酸水を持って来たのが、同時だっから、台無しにされたようで、悔しくなった。

こんなんで、悔しがるなんて、君は本当、子供っぽいんだね。
漠迦にしてるのか、どうなのか、それすらも、わからない。
どうせ、客は死神だけなんど、僕は、あいつを床に倒すと、こめかみに僕のこめかみを、地下の歌声が響くくらいに押し当ててやった。

ひどいや。

あいつの涙が床に転がって、あてのない、雪の華。
posted by 永島大輔 22:01comments(0)trackbacks(0)pookmark





道の窪み

道の窪みは そのまま星が迷いこんで
空洞 に ぽっかり なっていたから

縄の梯子で 僕は
みにいくことにした

背中の彼は

人形の ままだから
たいして重荷に ならなかったけど、

おなじ 静脈の火傷がしみるのは

星が迷いこんでいく
あの時に
おきる 風のせいです

posted by 永島大輔 18:22comments(0)trackbacks(0)pookmark





からまわり

僕が彼の存在を認めたのは
校庭の隅で
誰にも知られていない ものたちと
口笛混じりに 話す事ができたからで

それは
屋上で踏みつけられる背中の暖かさだった

はやいうちに
何者かになる前に  

僕は破滅するのを望んでいたんだ

その やり方は
口笛混じりに隠されているから

僕は
世界中の人間が 彼の事を
忌み嫌う事を願いだしていた

願い続ける傍らで
眠る彼は いつかは消えてしまうのに

安心しきっているから

僕は天にむかって

嗚咽したくなる

それ すらも

彼の前では からまわり

posted by 永島大輔 22:06comments(0)trackbacks(0)pookmark





遠くの友達の方へ

川沿いの映画館が植物に変わる前
僕たちは
声を持たなかった
ふだん
話する 声は持ち合わせていたけれど

それは枕木の寝床にも
およばないもので

何の手がかりにも ならなかった


野うさぎのような
髪の色をした彼は

左頬の痣から逃れるように

雑音まじりのラジオを聴きながら

遠くの友達の事や
遠くの時刻表に載らない
汽笛について

膝を抱えて教えてくれた

雑音まじりのラジオは
浄められた夜

遠くの友達にも
聴こえてるか 聴こえていないか

話してる僕たちは

探偵小説の行方不明を探っているみたい









posted by 永島大輔 00:27comments(0)trackbacks(0)pookmark





汗、月、笛。

なにも見えない暗い夜には

石垣の積みあがった広場に
笛吹きの子供がやってくる

彼は
僕より2歳したなのに
冷たい石より暗い瞳をしてる

石垣の石の数を数えたら
約束に

奏でてくれる
笛が聴きたくて
遠くの鎖骨に光る

汗を
つまむ
それができたのは

なにも見えない
信じられない夜のおかげ
いつまで
騙されていることに気づかないんだい?

木靴が合図をよこすまえに

汚された月は
遠くの昔に消えてなくなりましたから

夜はいつまでも暗く

僕は
月に連れていかれる
不安に怯えなくてすむから

こうして
石の数を数えることができて

数億の夜
瞬きのあいだの夜でした

笛吹きの子供の

鞄に連れていかれました


posted by 永島大輔 22:35comments(0)trackbacks(0)pookmark





ふたしか。

床の冷たさに気づいた頃に
宿り主のわからないピアノ

ピアノが連れてきた存在のせいで

僕、僕たちは泣きそうになっていた

薄れゆく記憶の中は
不確かなものばかりだから
砦を作っていたのに

彼の唇からの
震えは

床の冷たさに
叶わない しみを残していた

いちばん
確かだったのは
彼の唇と指先を棲み家とする

オレンジ
チョコレートの香り
どんなに探っても
香りだけ。
posted by 永島大輔 22:01comments(0)trackbacks(0)pookmark





雪にうつる背中はできそこないの、僕達だった。

占い
雪のうえに
あらわれたのは僕達の足元をすくう
目的の存在で

身も心も清らかに洗われる必要なんてないのにね

つくりあげられた
迷宮から
逃れられないから

彼らは

定期的に特定の人達を
絶滅させずには いられない

背中を丸めてピアノを弾く
兄の裸は
不確かな線路のゆきさきに
汗がにじみます

にじむ汗のゆきさきが
わからなくなるように

雪にうつる背中はできそこないの、僕達だった。

それぐらいしか

わからないから
空へ帰る雪にかわった
魂の数を数えながら

兄がくすねた

鍵盤噛んでいます





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