そらいろキップ

言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が

すべての、真実。







にじんでいるから、メガネを。

花の名前もわからないくらいに
ベルがなるから、花の色は、僕の左目のなかで、小さな卵になりました。

卵は、夢の中から、くすねてきたので、
とられやしないかと、少年が近づく人を傷つけます。

卵をくすねてきたのは、なんのため。
怯えるために、誰かを傷つけるための石畳がよみがえる、まじないの月夜。

花の色が、誰にも知られず、石畳にとけていくから、悲しい声で売られていきます。

僕の事を忘れてしまわないように、彼の事を忘れてしまわないように、まじないのひとつは、殼でにじんだ右目です。



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ぼくらの

必要としてるのは
確かな物よりも
ぼくらの 心の空をおおいつくす

予言だった

偶然?

終わらせるために
知らないうちに 散りばめられたのは

雨の夜に扉を叩いた
濡れた靴の少年のおかげじゃなかった?

夜の公園に
残された足音を
彼の物じゃないと 決める事はできないじゃないか
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発作

忘れてしまった ひかりの
胸ポケットに

つながっている
おもいが すてきれなくて

また

鍵を開けて
入ってみたよ

そのままなのに

すこしずつ
色だけが落ちていく世界に

水色の繭が残っていた

それは
彼が 発作を起こした時に

口からつむぎだした 繭で
耳にあてると

忘れてしまった ひかりの
あたたかさの

吐息がした



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少年ゼロの記憶

中学生の頃は、町はずれに廃線路が残っていた。
鉱山の線路の名残りで、学校をぬけだしては、廃線路の果ての果てへとむかっていくのが好きだった。

こんな事をするのは、僕くらいだろう。
得意になっていたけれど、廃線路が森にさしかかるあたりで、僕の前をひょこひょこ踊るように歩いていた少年が、少年ゼロのモデル。

会話らしい会話をした覚えはないけれど、何となく、通じる物があって、森の奥に着いた頃には月が出ていて、隠れ家みたいな所に泊まった所まで覚えてるんだけど、いつの間にか朝になって、僕は廃線路をひょこひょこ歩きながら、町に戻っていた。

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ゼロのゼロはゼロ

廃線路の果ての果てに

住んでるゼロは
枕木枕語り

誰も知らない古い木のように
見えれば

はにかんだ笑顔の少年で
一度足を踏みいれたら

踊り続けのもがき続けの
湖の瞳

湖にもがき続ける
悪魔のぶんだけ

袋に
たまる金貨を
僕に聴かせてくれる

僕は

けっして指をあげないのは
その瞬間

湖の波紋をみる事になるのを
知っているからで


何ももたずに

もたれるゼロの肩は
冷たくて

枕語りを聴かせてくれる

ここにくるのは

ゼロのゼロのゼロ

この世に存在しないもの
ばかり
追い求める
54の人間のふりした悪魔達

この世に存在しないのは

はるかかなたの

私達の美しい國
はじめから そんな物はありやしない

そんな物はありやしないから

ゼロのゼロのゼロへと
辿り着いた先が

ノスタルジアな焼け野原

何が変わったって?
何も変わりやしなかったんだよ

54の人間のふりした悪魔は

ゼロのゼロのゼロを手にいれても

それが

望んだものとは
気づかずに

踊り続け
もがき続ける事になるから

僕の袋には
金貨がたまるっていうわけ










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すすき野原に旗をたて

しばらくぶりに出会った兄さんは
本当の兄さんなのか
吹雪の中に顔がかくれているから
わからないけど

ぼくは

夏の日
プールのにおいがしたから
吹雪は
兄さんだと思ったんだ

ぼくたち
だけの国を作ろうとした時に

布切れを
ぼくたちにくれた

鉄格子のむこうの
旅人と話をしていた

兄さんは

背中

ぼくは
泣いていた
何で泣いたのか よくわからないまま

兄さんの背中に小石をぶつける
つもりが

うなじにあててしまった

ぼくは



怖くなって

旗をたてる約束をやぶったんだ

あの日いらい
吹雪の中でしか
兄さんに出会えない
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それはきまって橙色の夕焼けで

学校から家へ むかう汽車の床の片隅は
木の床で
節穴から蔦が伸びていたから

橙色の夕焼けは

汽車の窓の果てに
影絵をうつしだして

問いかけるんだ

学校で
教えられている事が
どのくらい

この世界で実際に起きている事かって

陰謀も何もない
あるのは

欲望が作りだした
妄想の世界
妄想の檻

あの首輪の主は
誰かに似ていないかね?

そう

これがこの世界

誰かが作りあげた
妄想の世界を
現実だと刷り込まれている

そうなんだ

僕はいつまでも気づかないふりで
いたけれど

汽車の床には

あの少年がうずくまって
眠り続けているんだ

この世界が
妄想の檻ならば

眠り続けている
記憶の底の底

妄想の檻から解き放たれた
世界樹

世界樹の帝国

それが
すべての

真実



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くちぶえ

煉瓦の煙突を見あげていたら

星の群れ
群れから
くちぶえが聴こえてきたから

テープレコーダーを肩にぶらさげたんだ

こんどのクリスマスに閉じる
ゲームセンターは
信号みたいに
電球を点滅させながら

くちぶえのリズムを
なぞってる

テープレコーダーには
光までとれないから

僕は友達の窓に小石を投げて
あいつを起こして
色鉛筆を借りてきたんだ

描くものをわすれたから
あいつのシャツに

くちぶえのひかりを残すつもり
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彼の火傷

つかんだ夢を夜空へ返そうとしたら

彼の左手の火傷
火傷はとうの昔に治ったけれど

彼の左手には
誰も知らない帝国の地図が残った

それは
いつ見たのか覚えもないけれど

涙があふれてくる
二階の裸電球に照らし出された

外套です

他に
もう 何もいらないから
ないんじゃないんだ

外套にくるまって
おかしなくらい身体のでこぼこを
確認していたら
頬くらいに床は冷たい

彼の左手の火傷に

はかない海ができていました

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赤のダッフルコート

地下の音楽堂は
湖に消えていった 鳥に似せた
音を鳴らすオルガン

彼の声は
あの時のように 奏でられない

そんな事は わかってるのに
あきらめきれないから

ダッフルコートをにくるまった
彼が

おまじないをする

それは

赤のダッフルコートのポケット

ポケットに はいっているのは
冷たい薬

オルガンの
鳴らない鍵盤をみつけたら

冷たい薬

封を切ろうね
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