そらいろキップ

言葉や国は関係なしに
汽車に乗り 眠り続ける少年の知らない
記憶の底の底の世界樹が

すべての、真実。







素描のできそこない

船は沈んでいくけれど

大刷毛を持った
あいつらは
沈んだりしないと信じこんでいる

それなら
船が絵の具まみれになっていく
わけを教えてよ

彼と僕が問いつめれば
素描のできそこない
おまえ達に何がわかる?

罵り言葉は
蓋する言葉

船が全部
絵の具まみれになる前に

逃げだそうよ

僕らの望みは
賢い鼠

分裂しながら増えてく鼠に
チーズをあげると約束したら

あいつらの宝をいただいてくんだ

これだけ ひどいめにあわせたのだから
それくらい いいじゃないか
posted by 永島大輔 19:03comments(0)trackbacks(0)pookmark





黒髪が濡れた時刻に 懐中時計

懐中時計のゼンマイのくすぐり

くすぐり
太陽の桶に頭を沈めたままの

少年のうなじの
黒髪が濡れた時刻に
いっそう強くなったせいで

床に
ぶらり ぶらりと垂れ下がり

暗闇の遊園地を指し示す

ぼくの歌声なんかで よかったら
切り離された

根っこの棲む
暗闇の遊園地で
もっと

歌ってあげるから

いい加減
桶から
ぼくの頭を 解放してくれないかい?

posted by 永島大輔 20:07comments(0)trackbacks(0)pookmark





彼の背中は春の猫のように頼りない

僕の考えている事を口にできる
彼の背中は 春の猫のように 頼りない

ようやく 口にしてくれたのは

花屋の冷えきった倉庫に
うずくまる 少年の歌声を
盗む計画で
少年は
陽にあたると
金色の炎になる病を患った
まま

僕は
まぶしくて 何もおぼえられないから

踏切のラッパをたよりに
たどりついた

花屋の主は
配達にでかけたきり

うずくまりながら
歌う少年の踝は
陽のあたる地面から
忘れられた星の跡になっていた

死にむかっていく
花達にむけられた歌声は

僕らには 聴こえない
聴こえないから 欲しくなる

僕らは

太陽の桶に
少年の顔を沈めて

宇宙の始まりを待つように

懐中時計を握りしめたんだ





posted by 永島大輔 20:14comments(0)trackbacks(0)pookmark





太陽の桶、僕らの退屈。

心の内側を語りだしたところで

すべては
曲がりくねった
光りよりも 醜く
曲がりくねるから

ただ
ただ

退屈して過ごしているんです

太陽の桶の
水面
弾ける事のない

泡の集まりは
みることのない 銀河を真似ています

ただ
ただ

退屈だから
太古の罪は

全ての生き物が
背負うことになったから
全ての生き物が

太古の罪から 解放されました

解放されたから
僕らは 退屈なままで

半分だけの暗闇の中で
金釦を探りあてる
遊戯の後で

太陽の桶を 鞄に隠して
花屋にむかいます

posted by 永島大輔 20:11comments(0)trackbacks(0)pookmark